医療ビジネスに殺されるな(10)

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いつも勝たなければ気がすまない敗者たち-2

リカルドとの諍(いさか)いを切っ掛けに「闘争・逃走反応」に追い込まれた私は、過去からためてきた怒りの感情がダムを決壊させて流れ出ていたことに、先にわれに返った彼のお陰で気が付いたのでした。それを体感できた私は、それ以来、自分の怒りやイライラの原因を一瞬にして察知できるようになったのです。そしてイライラという自分の感情のエネルギーと、目の前にいる人間との間に、ほとんど何の関係もないことが理解できるようになったのです。となると、無駄に怒らなくなってくるので、自然と相手に場を譲ることができるようになります。「負けるが勝ち」という心理が理解できるようになります。こだわりが減って、いちいち右往左往しなくなります。そして、大切なことへの集中力や持続力、クリエーティビティーが高まるのです。また、楽しい時間が増え、人生の95%くらいはハッピーでいられるようになります。

「いつも勝たなければ気がすまない」病の原因は、「お腹がすいている」だけだった

皆さん、イライラや怒りの原因は、全くもって単純なところにあるのですよ。サイコロジーとかスピリチュアリティーとか、そんな難しいことではないのです。よーく人間を観察してみてください。皆さんがネガティブと呼ぶ感情や行動は、実は空腹感から来るのです。ただお腹がすいているだけということです。私たち人間は、自分が満たされていると感じる時は寛容でいられます。でも、何か不安になった途端にイライラが始まるのです。この不安の原因、イライラの原因の一番は、何と! ただ「お腹が満たされていない」だけなのです。えー、もう、ばかみたいですよねえ? お腹がすいているだけで、結果的に人を傷つけたり、大病になったりしちゃったり。

これを理解するには、ちょっとした生理学的知識が必要です。まず、量を食べてもお腹はいっぱいにはなりません。あなたの頭は「今、食べたんだからお腹がいっぱいに決まっている」と考えるでしょう。でも、それは、食べ終わったその時だけで、しばらくすると、ちょっと甘いものがつまみたくなったりすることがありませんか?

あるいは、スナッキングがやめられないとか? この現象は、摂取した栄養素に何か足りない物があることから起こります。生きている限り、メタボリズム(代謝)している。メタボリズムしている限り、生きているのが生き物です。正常なメタボリズムに必要な栄養素で、お腹だけではなく、心と体とが満たされていないと、脳から「何か足らない」という指令が出ます。この体感に、私たちは「お腹がすいた」という名前を付けたのです。正常なメタボリズムに必要な栄養素は、基本的にタンパク質、脂質、炭水化物です。この三大栄養素をバランス良く摂取すれば、ビタミンとミネラルも自然と摂取できます。タンパク質の主な供給源は動物性の食物、炭水化物は植物性の食物、脂質はその両方です。これに天然の塩が必要ですね。これらの食物、自然で本物でなければ、必要な栄養素を供給できません。加工食品は、食べ物か化学薬品か分からないくらいギリギリの所まで生成された物質の集合体だったりします。こういった食べ物は、食べ物としての役割を果たさないだけでなく、体毒として私たちの体にダメージを与えてしまいます。始終こういった毒の流入によってストレスのかかる体は、100%満たされることがありません。この体の何か満たされない状態を、皆さんは心の異常としてとらえ、不安とか心配とか、不満と感じるのです。栄養のない物を食べ続けることで、絶えまない不安感に陥っていきます。軽ければ「闘争・逃走反応」に追い込まれやすい人、つまり「勝たなければきがすまない」病にかかった人になっていくのです。そういう人は、「これは子供のころからの私の性格だから、仕方がない」と言います。でも、こういう人たちは、たかが食べ物を変えてみるなどという簡単なことするできないくらい、ひどい状態に陥っているということです。

「いつも勝たなければ気がすまない」病の人たちの深層心理は、「自分は駄目な人間なんじゃあないか?」とか、「好かれない人間何じゃあないか?」とかといった考えです。体が100%機能するための正しいご飯を食べていなければ「自分は駄目な人間なんじゃあないか?」と思うのは当たり前ですよね。車だって、それぞれのタイプにあったガソリンを入れなければ動きません。でも、車が駄目なのではなく、間違ったガソリンが駄目なだけですよね。

この世に駄目な人は、誰もいません。悪い食事を原因とするネガティブな感情や行動は、メタボリック症候群の始まり、行きつく先はがん

中国の三字経という中国の古いテキストの中に、人之初性本善とあって、「人は生まれた時はみんな善い人なのだけれど、成長過程でさまざまな経験をしてさまざまな人になる…」そうです。成長過程で、正しい食事をさせてもらえない上に、怒っちゃいけない、泣いちゃいけない、不安になっちゃいけない、負けちゃあいけない、不幸になっちゃいけないと習うわけです。

皆さんが、飢餓状態にあったらニコニコポジティブにいられますか? もし、自分を変えたい、人生の何かを向上したいと思っているなら、まずは食生活を正してみてください。今まで、ねちねちネガティブになっていた自分がばからしくなります。怒っている自分に否定的になっている自分がばからしくなります。愛されていないんじゃあないかと不安になっていた自分がばからしくなります。

実は人間は、何をしようが、何を言おうが、いかにあろうが、別に何でも良いことが分かりますよ。人間の真実は、自由です。