第五回目「幸福感の素2」

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第五回目「幸福感の素2」

http://www.nyseikatsu.com/api/549/pdf/page08.pdf

先月号では私たち人間の幸福感•満足感が体内の化学物質によって支えられていることをご紹介しました。今回はその主な一つであるGABA(ガンマ-アミノ酪酸)についてお話しします。

GABAは神経伝達物質の一つで、気持ちを落ち着かせてくれる役目を果たし、ストレスに強い人間を作ります。また、ヨーグルトに含まれ、腸内細菌の一つとして私たちの体内に住むラクトバシラス(乳酸菌の一種)によって大量に生産されることが知られています。この菌は、お母さんの産道を通って生まれてくる時に、赤ちゃんが飲み込むことによって受け継がれる最も主要な善玉菌です。

ところが、6月23日付けのニューヨークタイムズマガジンに掲載された「あなたの腸に住むバクテリアたちは、あなたの気分を左右できるか?(Can the Bacteria in Your Gut Explain Your Mood?)」という記事に、「ハツカネズミを使った最近の研究で、妊娠中に高いストレスを経験した母親が受けわたすラクトバシラスの量が、低いレベルに陥ることがわかった」とありました。受け継がれるラクトバシラスの量が減れば、生産されるGABAの量も減ります。そしてGABAの量が一定して十分でなければ、人生におけるストレスへの耐性に影響することになります。例えば、二人の人が同じストレスを経験しても、同じように感じないのはこのストレスへの耐性力に差があるためです。

また、この記事にある『高いストレスを経験した母親」も、もしかすると彼女の体内に生息するラクトバシラスの量が妊娠中のストレスへの耐性に不十分で、十分なGABAを生産することができていなかったのかもしれません。そしてまた彼女の母親も、同様に。

幸せとは、何世代にもわたる正しい生活習慣によって築かれるものなのかもしれません。