第七回目「食事と姿勢」

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第七回目「食事と姿勢」

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ニューヨークでピラテススタジオを主宰していた私は、ある時から姿勢の良し悪しに興味を持った。腰痛などの関節痛を治すためにピラテスを始めるクライアントたちがたくさんいたし、私自身も腰痛に苦しんだ経験があり、姿勢の良さが腰痛を治す鍵であることに気付いた。エクササイズをした後は、嘘のように腰痛が消えるのに、次の週にはまた同じ所が同じように痛いのが不思議だった。

この習慣化した痛みの原因がどこから来るのか?人間の健康に強い興味を持っていた私は、さまざまな方向から真の意味での人間の在り方を探求して行った。病気であることが人間にとって自然であるわけがない、100%健康とは、いったいどういう状態なのだろう?なぞなぞを解くように答えを探していくうちに、食事と姿勢の関係に気が付いたのだ。このピラテス•エクササイズの創始者ジョセフ•ピラテス氏が注目したのは腹筋の使い方と姿勢との関係だった。ところがフィットネスの世界で考慮される腹筋は、4層の表面的な骨格筋だけだ。でも「腹」全体を考えるなら、その中心に収まる五臓六腑の筋肉も含めるべきだということに私は気付いたのだった。それ以来、この五臓六腑の状態と姿勢との関係についての研究を深めるに至った。

そして分かったのは、不自然な食事をすると、胃や腸などの消化器官を始めとして、身体全体が腫れ、膨張するということだった。砂糖、防腐剤、着色料やMSGなどの食品添加物、加工食品などが、身体を腫らす一般的な食べ物だ。医薬品の頻繁な服用やワクチン接種でも、同じことが起こる。要するに、人間にとって毒になるものを体内に取り込むと、腫れるという現象を起こすのだ。この腫れ現象が、悪い姿勢の根源だったのだ。身体の中心にある五臓六腑が腫れれば、その外側を覆っている骨と骨格筋のバランスが悪くなるのは当然で、悪い食事が続けば腫れが続き、間違った方向に引っ張られ続ける骨格筋は、骨格を正しく保ち続けるなどは難しくなる。腫れた内臓に押されて骨格筋がギブアップした時にぎっくり腰が起こる。悪い姿勢の始まりは悪い食習慣にあったのだ。