自分=愛・自分を癒せるのは自分しかいない(3)

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からだと心と魂のつながり「真我を開くセルフヒーリングへの道」マキコ・メソッド(8

自分=愛・自分を癒せるのは自分しかいない(3)

前回の終わりに、理性的な判断ができずに「闘争か逃走か」の反応に追い込まれた人たちのフォーカスが、目の前にある課題に最適な答えを見出すことから「勝つか負けるか(愛を勝ち取れるか否か)」にスライド・インしてしまい、残酷な言葉や理不尽なことを言って相手を傷つけるような行為に発展しまうことに触れました。私のクライアントの例をご紹介します。

◇ ◇ ◇ ◇

彼は、私に会う6年くらい前から胃炎と腸炎を併発し慢性化させていました。料理ができないことが幸いして、シンプルな調理で済むGAPS食事療法を気に入って、きっちり3カ月実行して症状も治まったころ、急に魔がさしてグリーンジュースを飲んでしまいました。グリーンジュースはほぼ砂糖水ですから、それまでGAPS食事療法で抑えられてきた悪玉菌たちが一気に元気を取り戻し、腸内に大量のガスが発生し腸痛が起こったのです。

そう説明する私に「GAPSじゃあ治らないんだ! 君の治療は失敗だったんだ!」と、痛みに苦しむ彼はとても攻撃的な態度で、暴言をまき散らしたのです。でも、たまたま同じ日の朝にお医者さまのチェックアップがあり、胃炎がどうなっているか調べたばかりで、結果はなんと、何年も苦しんだ胃炎は、完治していてお医者さまもビックリ。私にとっては、非常にラッキーでした。

もちろん、彼は平謝り。彼の場合、グリーンジュースは、当分飲んではいけないことを知っていましたから、やってはいけないことをした結果として、予想されていた症状を起こし、自分でも「しまった…。」と思っていたのだと思います。

罪の意識とその苦しみから解放されようとあがき、理性的な判断ができなくなって、私にその苦しみの責任を押し付けた形になってしまったのです。調子の良い時の彼は、とても品の良い好青年なのですが、腸の調子が悪い時、ほぼ必ずジキルからハイドになってしまうのです。それでも、人というのは体調が悪いと、自分の行いの責任を自分でとるということができないようだということです。もしかすると「できない」というより、「責任を取る自信がない」ということかもしれません。

◇ ◇ ◇ ◇

別のクライアントのケースをご紹介しましょう。

このクライアントは、長い間苦しんできた精神疾患を治して、人生をやり直したいとご相談にいらっしゃいました。彼女の精神科医と連絡を取りながら7種類服用していた精神疾患薬を、1年半かかって4種類まで断薬することに成功し、5種類目の半分あたりまで来た時に、弟さんが突然、悲劇の死を遂げてしまったのです。この事件の後、彼女は周囲の人々に攻撃的な態度をとるようになったのです。

それまで何年も通っていたサイコロジストを首にし、さらに担当の精神科医まで変更しようとしたのです。「私が訴えたら、彼女はライセンスを剥奪されるのよ。」と、息巻いていました。

私にはといえば、このころから、自分のセッションなのに妨害し始めたのです。オフィスに入ってくるとすぐに、「質問があるの」と始まり、私を質問攻めにすることで、そのセッションのリードをテークオーバーしてしまうのです。また、しばらくするとこれらの質問が2〜3週間に1回くらいのペースでぐるりと回って初めの質問に戻ることに気が付きました。私のオフィスに来ることは、いとわないらしいのですが、自分の心の問題、感情の問題と向き合うのを恐れているのでした。

また、「もっと、ヘルプしてよ!」、「もっとヘルプできるはずよ!」、「あなたはベストを尽くしていない。」と怒りをぶつけてきたり、「私、あなたに怒っているの」と、なぜ怒っているのか尋ねても一切答えずに、これらの言葉を繰り返しながら、とても怖い顔でにらみつけたりするのです。そういう時の彼女は、まるで別人。前出の彼と同じように都合の悪い時は、やっぱりジキルからハイドに、なってしまうのです。本当に人は二つ以上の人格を持つことができるんだなあ〜っと感心している場合じゃあない。でも、私に怒っていると言いながら、不思議なことに週に2〜3回のセッションをやめたりはしないのです。つまり、どんなに暴言を吐いても、別に私を嫌いじゃあないということが分かります。いや、嫌いどころかとっても愛してくれているのです。

分かりますか、皆さん? こういう行為を、多くの人が日常茶飯事にやっているのですよ。特に夫婦間とか、彼氏と彼女の間とか、なぜか愛しているはずの人に一番ひどい態度をとってしまったりするでしょ? 親子でもありますよねえ。なぜこのようなことが起こるのか分かりますか? これはねえ、愛し合っている二人の間で、お互い信頼感が増してリラックスし始めたころから始まるんですよ。大抵の人が仕事場や家の外では本人のキャパを超えて、「ちゃんとした人間」を装っていますよね。つまり必要以上に緊張している。気が付くと呼吸が浅くなっていたり、全身でなくとも体のどこか一部にでも余計な力が入っていたりしませんか? 特に要注意は、下腹とお尻の穴です。(お尻の穴を締めていると、座骨の周りの筋肉がこってしまいます)。これ一日中やっていると疲れるわけです。それで家に着いてホッとした途端に一日ためていたイライラがボロっと出ちゃうんですよ。

私も結婚して、よ〜く旦那を観察するようになって、発見したんです。あはは、もちろん、旦那ばかりではなく、私も同罪です。でも、おかしいですよねえ? 愛しているから結婚したのに、なんでクッダらないことでいがみ合ったり、ちょっとけんかするとなかなか仲直りできなかったりするんでしょ? 人はみな違って当たり前で、その違いを受け入れるのが、無条件の愛であるはずなのに、なぜ、あなたのパートナーが賛成してくれなかったり、自分の思いにそぐわない行為をすると、不愉快になるのでしょう? 英語では「ホールド・ア・グラッジ(hold a grudge)」と言いますが、一度怒ると止まらない人も、いらっしゃいますよねえ? うちの旦那も、結婚当初は、一度けんかをすると最長3日くらいグラッジをホールドしていました。さて次回は、来年いよいよ結婚10周年を迎える私たちがどのようにして、その危機を乗り越え、今ではハッピー・ワイフ、ハッピー・ライフを満喫できるようになったかご参考までに、お話してみたいと思います。