インナーチャイルドの作り方

0
712

去年だったか、飛行機の中で通路を挟んで向こう側に夫婦とまだ一歳にもならないだろう赤ちゃんが座った事がありました。しばらくして、その赤ちゃんがビエービエー泣き出し、なかなか泣き止まないのでちょっと様子をみると、そのお母さんはとっても恐い顔をしておでこに縦皺を寄せながら、その赤ちゃんの顔にクッションを押し付けようとしていました。

「Oh!My God!」とは口に出しませんでしたが、私は目を見張っりました。そんな事をしたら赤ちゃんが窒息してしまうかもしれないし、死なないまでも、その赤ちゃんの心はとても傷つきます。

このお母さんは、赤ちゃんを愛していないわけではないのでしょうけれど、赤ちゃんが何故泣いているのかという事よりも、周りの目の方が気になるわけです。そして自分を犠牲にしても自分の赤ちゃんを守ると言う態度とは、正反対の行動をとっています。つまり此処では、無条件の愛は表現されていない事になります。赤ちゃんは、それを肌で感じているはずです。私のお母さんは、いざという時に私を守ってはくれない・・・という事になります。

アメリカでは子供が、ビエービエー泣くと周囲の人が物凄い目でお母さんを見るので、子供が泣く事に異常に敏感になっているお母さんたちが沢山います。ともすると、幼児虐待かと思われて、ポリスが呼ばれたりするんです。世間が恐ろしくて子育てどころではありません。

つまり、こういった社会と人間の存在の仕方のアンバランスによって、私たち人間は心の問題を繰り返しているのだと思います。

私のMakiko Methodは、心身の問題の原因を見つけそれを解消する事で、健康に幸せに生きる人間本来の能力を引き出す事を目的としたメソッドですが、この問題というのは本人の持つ能力が機能しない事です。その能力が機能しない原因は、ほぼ100%心の問題です。この心の問題が何かというと、子どもの時に傷ついた経験なのです。特に御両親と自分との間の問題です。あるいは自分の本質と社会との間の、言って見れば本音と建前の間の問題なのです。

そしてその問題は、お母さんのお腹の中に胎児として宿った時から始まります。

お母さんの感じる社会や周囲との関係からのプレッシャー、ストレスといった物が全て、お腹の中にいる赤ちゃんにまで影響してしまうんですね。赤ちゃんは、まだ頭で考えたりはしませんから、いわゆる「肌で感じる」という事になります。肌で感じた居心地の悪さ、ストレスを克服する事を現世での人生の課題として生まれてくるわけです。

お母さんが不安であればあるほど、赤ちゃんが被る影響は大きくなります。

口やかましいお母さんに育てられた赤ちゃんは、自信のない人になったり、意地悪な人になったり、その程度によっては社会に適応できないほど内向的になったりします。また、身体の健康異常としては、喘息などの呼吸器系の疾患、アトピーなどの皮膚疾患、消化器官の異常などをひきおこします。

仕事などで忙しいお母さん、あるいは子どもに無関心で身体は子どもの近くにいても心此処にあらずのお母さんに育てられた子供たちも、口やかましいお母さんに育てられた時と同じような心理的、感情的、肉体的アンバランスな不健康状態に陥ります。

この二つのお母さんのタイプは、全く正反対のように思われがちですが、その子供たちに出る不健康状態は似たような物になるというのが、興味深いですね。

この二つの異なるように見えるお母さんのタイプは、実は同じ事を示しているのです。このお母さんたちはどちらにしても、自分にあるいは自分の人生に満足していないというところで同じなのです。つまり自分の本質を生きていない、人間として成長していない、自分を愛していない、という事です。

勿論、お母さんばかりのせいではありません。お父さん、おじいちゃん、おばあちゃん・・・・この子どもたちが独り立ち出来るようになるまでの成長過程で「親」として関わる人々の人生感が、子供たちの未来に影響します。

子どもの頃に傷つき、その時に起こったいわゆるネガティブな感情がきちんと処理されず、後々の人生にまで心の深い所に残り、その心の重みが身体機能を妨げるようになります。

慢性の痛み、理由の解らない健康異常、炎症系の疾患(アトピーなどの皮膚疾患、アレルギー、喘息などの呼吸器系の病気、癌、糖尿病、甲状腺の病気などの免疫不全、胆石、不妊症、偏頭痛、難聴、円形脱毛症、リューマチ、MSやALSといった強皮症など、難聴、慢性の耳鳴りなど)になる場合があります。

あるいは、もっと直接的に心理的、感情的な心の問題になる事もしばしばです。うつ病、不眠症、多重人格症、ニートなど。それほど酷くなくても、内向的性格、意地悪な性格、怒りっぽい、イライラ、自信が持てないなど。

この子どもの時に傷つき、成長する事を受け入れていない心の中の子どもたちを「インナーチャイルド」と呼びます。そして、多少の差があるにせよほぼ全員このインナーチャイルドを心の奥底に持っていると言ってよいでしょう。

もし貴方が、多少になりとも理由の解らない慢性的な不満足感に悩んでいるとしたら、また体調の悪さによって人生を妨げられていると感じるなら、この「インナーチャイルド(=心)」の声を聞いてみる必要があるかもしれません。

シェア
前の記事何故、自分の自然治癒力と闘うのだろう?
次の記事スピリチュアリティの、学び方。
MAKIKO道場総帥。 幸せになる為の術を学ぶ道場をニューヨークに開設。 ポスチュア・バランス・エクササイズ発案と指導。霊感をもった、ナチュラル・ヘルス&ライフ・スタイル・カウンセラー、エネルギー・ヒーラー。 健康である事、自然である事が、人間を幸せに導くと確信する。 3次元の地球に生きる意味を、追求している。