まっすぐに生きる、心の姿勢 第十回目「お金」: 2013

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お金って、とても難しいコンセプトですよねえ。無いと困るし、有り過ぎても困ります。?と不思議に思われたでしょう? そこで、お金の有り余っている人達がどんな人生を送っているか、私の経験を御紹介しましょう。

私がお金と幸せの関係について学んだのは、アッパー・イーストサイドのお金持ち達にピラテスを教えていた頃です。お城か美術館のようなお家に住み、素晴らしいお洋服に身を包み、金銭的には何も困らない人生を送っている人達でした。大抵三軒は家を持ち、中には自家用ジェット機やヨットも所有しています。ところがこの正にマテリアリズムの最高峰を謳歌しているはずの彼らの心の中はカラッポ!いつもスカスカで満たされていない。つまり幸せだと感じていないのです。いつも眉間に縦皺を寄せてイライラしている、慢性的に怒っている人たちなんです。ある超お金持ちクライアントの例です。しかもかなりのハイ・プロファイル。いつも彼は起きてくるなり、メイドさんやバトラー達を怒鳴り散らすんです。このメイドさんやバトラー達は、もう慣れっこになっていて気にしていないようなのですが、怒ってる理由が良く解らない。あんまり理不尽なので、「何で、皆に怒っているの?」と訊いてみました。すると驚いた事に「 I don’t know. But I am angry! 」と叫ぶんですよ。呆れてしまいました。何も理由がないのに、八つ当たりされた方はどうするんですか?このアッパー・イーストサイドの金持ち社会では、こんな事はけっこう日常茶飯事です。成功しているらしい弁護士の奥さんが、いつもメイドさんにいきりたっていたり。お金で何でも解決できるので我慢や忍耐といった大人としてのマナーを学ばずに来てしまったようです。お金で幸せは買えないって、本当です。

私はと言えば、ニューヨークに来たばかりの20数年前、「お前は将来どうするんだ?」と親が心配するくらい貧乏でした。でも若い頃に貧乏を経験できたお陰で、お金と自分の人間としての成長との、切っても切れない関係について学べた事が沢山あります。また猪突猛進型の性格のせいか、貧乏にめげる事なく迷う事なく自分の興味を追求して来たお陰で、今の安定したビジネスに繋げて行く事が出来たのだと思います。若い頃の苦労は、とても良い人生の勉強になります。その自分の経験から解ったのは、お金と幸せのバランスは自分の気の流れに比例するという事です。不思議な事に、自分の気が滞るとお金も滞り、気の流れが順調であればお金も順調に入ってくるのです。そして数の上でのお金だけでなく、その入ってくるお金の人生における効能が、さらなる私の成長を助けてくれます。というように自分の成長と金銭的充実が、卵が先か鶏が先かみたいなパッケージになっているんです。

「損をするのが恐い」、「儲からなかったらどうしよう」などと、お金が先になってやりたい事が出来ない人が沢山います。でも幸せな未来のために大切なのは、自分のやりたい事をとことん追求しているかどうかなのです。お金の後を追う人生ほど、惨めな物はないと私は思います。お金が後から着いてくる人生を歩んでください。自分の愛する事を追求していれば、心配しなくてもお金と幸せがパッケージになって、必ず貴方の後を着いてきます。