まっすぐに生きる、心の姿勢 第九回目「人生の光と影の見方」: 2013

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あるヒーリング法のトレーニングでの経験です。トレーニングが進んでいく中で、先生の支持する事に私の中の納得できない部分が膨らんでいったのです。何に納得できないのか理解するまでに随分かかりました。彼の人生の中のポジティブな部分だけに焦点を当て、ネガティヴな部分を無視するやり方が、私にはあまりにも非現実的で腑に落ちなかったのです。

私たちの人生における光と影は、二つの異なる物ではなく、一枚の紙の表と裏のような関係にあります。光が影を作り、影が光の存在を作っているのです。光の方を意識するという事は、実は自分を影の中へおく事になってしまいます。例えば、自分が下にいるから上を見るんです、上にいたら下を見るでしょう。自分が影の方にいるから、光の方へ顔を向ける事という現象を起こす事ができるのです。でも、それを良い事としてこのトレーニングのように意識的に練習するなら、真にポジティヴな人間に成長する事ありません。

私の中の不満、つまりネガティヴな部分を作ってくれたこの理不尽なトレーニングのお陰で、ポジティヴとネガティヴの真実を学べたのですから、この全ての経験は私の人生にポジティヴであり、必然だったわけです。

何故、皆さんがポジティヴである事にこだわるのか?それは皆さんが、ネガティヴだからです。もし皆さんが根っからポジティヴなら、ポジティヴに憧れる必然性が存在しないのです。しかしながら人間は、両サイド持っているのが事実なのに、善悪のジャッジメント、つまりエゴからなかなか抜け出せないでいる。そして面白いのが、この人生における光と影を分ける意識が、実は皆さんを「無条件の愛」から遠ざけています。

光と影は一対です。まるで夫婦のように。それをどちらか片方が良くて、もう一方が悪いというジャッジメントをしているのです。それでなければ「常に光の方へ顔を向ける」などと言う考えは出てきません。

真の愛「無条件の愛」は、常にこの光と影の間の中心に何があるのかを見極められる感性が基本なのです。光と影、ポジティヴとネガティヴの中心にある物は、ノン・ジャッジメントの事実だけです。常に冷静に事実を見て行動する、それが無条件の愛へのトレーニングなのです。

感情的になればなるほど、この冷静な判断が出来ません。処理されていない感情がエネルギーの爆弾となって体の中に溜り、生命エネルギーの滞りを作り、皆さんの神経を逆なでしている間は、真実をみる力は育ちません。

皆さんの幸せのために、一対である光と影の真実を直視できる体力と感性を養ってください。