Gut and Psychology Syndrome 第二回目「基礎知識 – 上在菌と腸内細菌」

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第二回目「基礎知識上在菌と腸内細菌」

GAPS( 腸心理症候群 )を理解することは、そう簡単ではありません。特に日本人は、野菜中心の食事が良いという思想が強いので、心理的に受け入れることのが大変だと思います。そして残念なことに、日本食に典型的なでんぷん類、糖質類と食物繊維(穀類、豆類、芋類)を大量に取り入れる食事の仕方が、GAPS症状の急増を助長しているのは紛れもない事実です。

本題に入る前に、もう一度「GAPS( Gut and Psychology Syndrome )」に含まれる症状を復習しておきましょう。

Gutは「腸」、Psychologyは「心理学」、Syndromeは「症候群」。つまり「腸と心(脳)の関係から来るあらゆる症状」といった意味です。GAPSの症状は、子供達の発達障害と学習障害、情緒不安定、自閉症、アスペルガー症候群(ASD)、多動症(ADDまたはADHD)、統合運動障害、強迫症候群、躁鬱病、双極性障害、統合失調症、アレルギー、喘息、アトピーなどの皮膚炎、摂食障害、癲癇などがあります。これらの症状は精神病ではありません。

「GAPS」になる直接的な原因は、腸内細菌の生態系の崩れです。私たちの身体は、 パイプのような形に出来ています。鼻の穴から肛門までの消化器官も、ある意味私たちの外側で、事実上の体内は、この消化壁を越えた所にあるわけです。そして皮膚とこれらの消化器官を含む、 肉体の外側は、上在菌たちでビッチリ覆われているのが健康な状態です。特に小腸、大腸、女性の膣に集中的に住む常在菌を“腸内細菌”と呼び、そのグループを“腸内細菌叢”と呼びます。

この腸内細菌は、人体に害のない自然な抗生物質、カビ防止剤、坑ウイルス物質などを生産して、私たちを外的から守ります。また、重金属をキレート*し、発癌物質を不活性化させる、といった病気になる原因を取り除いてくれます。さらには、様々さまざまな栄養素を食べ物から合成してくれます。ビタミンK2、パントテン酸、葉酸、シアミン(B1)、リボフラヴィン(B2)、ニアシン(B3)、ピリドキシン(B6)、シアノコバラミン(B12)など。

そして さまざまなアミノ酸と、他にも人間が生きて行くために必要な物質を作り出してくれているわけです。つまり、これらの“腸内細菌叢”なしに、私たちは生きられないのです。 そしてもっとも恐いのは、 “腸内細菌叢”が健常でない場合、食物繊維を含む全ての侵入物が毒なってしまうという事です。

GAPSの発案者であるナターシャ博士が著者本 で、「進化の過程で、私たち人間がビタミンとアミノ酸の欠乏から死んだりしないように、私たちの創造主は食物の供給が欠乏した場合をもきちんと想定していたようです。」と言っています。

 

*キレート=複数の配位座を持つ配位子(多座配位子)による金属イオンへの結合